見てくださった方のための仕事

さて、今号のアニカンRは新アニメの副読書的な存在だけではありません。今号の注目はこれ
       大月俊倫プロデューサーロングインタビュー
スターチャイルドレーベル25周年を記念してのこの企画。あの、普通に読み応えがあった…つーか3万字インタビューをしてくれ、マジでって内容でした。
まずは、大月氏の現在の地位ですが、キングの常務取締役でありスターチャイルドの本部長。
     高田総統と一緒だなw
って思ったりして。
初期の頃はスタッフが2人しかいなくて、すべての仕事を1人でやってたそうだ。本人もこの頃が一番楽しかったそうだ。あと、今だったら考えられないようなイベントでのハプニングもあったそうだ。ハプニングよりもその後のエピソードが面白かったが。
そして、スタチャと切り離すことのできない林原めぐみの存在がある。当時はマニュアルなんか無くゼロの状態から狂ったように作っていたそうだ。彼女だったから出来たのかもしれないってのもあるが…。ラジオ番組もすべて1人で作ってたそうだ。よくCDの売れた90年代とはいえ30万枚売ったってのは凄い事だ。声優のCDを出す、深夜でアニメをやる、メーカーがアニメを作る。よく考えたらスタチャが最初なんだよな。この業界のパイオニアであることがよくわかる。
名前が知られてきた97年からから3年間大月氏はキングを辞めてたってことは私も知らなかった。そして戻ってきて最初の仕事がラブひなで、今はプロデューサー的なポジションだそうだ。
そんな大月氏も現在の業界に対して葛藤みたいなものがある。ここからはインタビュー記事を抜粋させていただく。

基本的に我々の仕事はいい作品を作ることで、それは声優さんのCD、イベント、コンサートや映像ソフト、それから作品そのもの、もしくは良いスタッフの輩出だったり。それがもっと議論されて作っていくべきなのに、いまは会社の規模の拡大だったり、株価が上がっただ、上場しただと言ってる。基本的に青少年に夢をあたえる産業が、いつの間にか経済的、社会的に恵まれるかに目が行ってるのは、大人の仕事ではないという気がします。

これを読んでいて心が痛くなった。純粋に楽しんでいた時代から商業主義へ時代の変化。実際に2002年以降の作品の乱発ぶりには呆れていた私がいる。いい作品ってのは数えるくらいしかないような気がした。そして次への提言というよりこれからの考え方みたいなものがあった。こちらもインタビュー記事を抜粋させていただく。

5年後くらいにはCDがもうなくなるかもしれない。そこに若い人たちがいかに対応していくか、昨日をいかに捨てていくか、今日を大事にしてやれるかということだけなのでは。自分の過去の実績を口にしだしたら、若いうちにそんなことをしだしたら絶対終わりだから。

明日や未来のことよりも今日を大事にしていく。私もこの考え方に共感してしまった。
この22年を過去と言い切った大月氏。これからのスタチャってのは過去を賞賛するよりもレーベルとしての原点に戻る仕事をすることが復活のカギになると私は思う。